裸足の季節 監督デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン

トルコの田舎の話。年頃の女は家同士の取り決めて結婚する習慣がある地域。結婚前に穢れてしまうと結婚させられなくなるので、厳しく育てられる。要領のいい男女は自分たちを家同士で結婚させるように仕向ける。結婚が嫌な場合は、1.我慢して結婚するか、2.自殺するか、3.家との関係を断ち切って逃げるか、しかない。

シング・ストリート

 成長モノ映画。

 細身の男子高校生が不良がいる田舎の学校に転校させられて、最初はケンカ売られたりしたけど、音楽路線で力をつけていき、しまいには、最初にケンカを吹っかけてきたやつも仲間にしてバンド活動をする。

 兄貴は音楽オタクのニートニートだけど尊敬していて、彼の影響をもろに受けながらバンドを成長させていく。

すれ違いのダイアリーズ 監督ニティワット・タラトーン

すれ違い系恋愛映画。

 タイの田舎の子どもたちの教育事情がわかる。タイの田舎には水上学校なんてものがあるらしい。内容はそんな田舎に赴任した前任の女の先生の残した日記を後任の男の先生が読んで好きになって、それに書き込んで、そして、また男の先生と入れ違いで再度女の先生が赴任して、男の書いたメモ書きを読んで男を好きになる話。

 都会の金持ち学校と田舎の学校のコントラストで階層社会が見える。向こうは下の階層に生まれたら、上の階層をうらやんだりしない。あきらめてる、もしくは、そもそも上とか下とかの概念ではないのかも。

最愛の子 ピーター・チャン

 中国の赤ん坊~幼児の誘拐の話。中国では子供の売買が地下ビジネスとして存在しているので、子どもは親が目を離したすきにスッとさらわれてしまう。そして、田舎の子どもが必要な家に売られてしまうとのこと。

 さらわれた家族は嘘か本当かわからない「子どもの情報知りたかったら金くれ」という連絡がジャンジャンかかってくるから2重苦だ。

 子どもをさらわれた家族通しが集まって、慰め合う会みたいなものもある。たまに子供発見ツアーといって各地の刑務所を回って逮捕された誘拐犯に自分の子どもの写真を見せて、知っているかどうかを尋ねまわったりもする。結局、手掛かりはつかめず絶望するのだが。

 一方、子供を買った方の家は、さらわれてきた子どもだとは思わず、孤児だと思い込んでいる。そして、わが子のごとく育てるから、数年後に本当の親が取り返しに来たといわれても、簡単に子供を渡すことなどできない。子供も完全に本当の親だと思っているし。

ルーム レニー・アブラハムソン

親子が住んでいた部屋は、ビルの屋上のペントハウスみたいなところかと思っていたら民家の庭の小さい納屋。部屋から逃げ出すところは痛快でよかった。部屋脱出後、住むことになったおばあちゃんの家は金持ちだから、環境については申し分ないんだろう。おばあちゃんと離婚したおじいちゃんはお金がないから引き下がるしかなかったのかもしれない。映画評に重いとか書いてあったから後半ヘビーな内容かと思ったけど、親と子が心を回復しながらそのまま終わる。

マネー・ショート 華麗なる大逆転 アダム・マッケイ

サブプライムのババ抜き状態を見抜いて逆に張って儲けた人たちの話。リーマンショック以降にこの話を聞くとサブプライムなんかバブルだから途中で降りるなんか簡単そうだが、当時の人たちは全くそう思っていなかった。逆に張るのも一歩間違えば破滅なんだけれど、金融業界の人たちはこういうギャンブルが好きな性分なんだろう。

スポットライト 世紀のスクープ トム・マッカーシー

幼児性愛カトリック司祭がたくさんいることを志のある報道機関が暴く話。偉い人に限ってこういうことをやる。昔は何かやっても組織が強ければ「何もなし」だったけど、今はインターネットの時代だから昔みたいにはいかないだろう。