戦争

手紙は憶えている アトム・エゴヤン

酷い記憶をカモフラージュで覆った厚い殻にしまうことで生きている加害者と、その殻を破り加害の記憶を自覚させるため、周到に用意した計画をひとつづつ進めていく復習者の話。

ミケランジェロ・プロジェクト ジョージ・クルーニー

ナチスにいたはずの美術担当者は、ヒトラーが死んだときに、命令に従って集めた美術品を焼き払うことを知っていたのだろうか?枢軸国と連合国で敵味方に分かれていたとしても、美術を愛する者同士の心の会話はなかったのか。

セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター

彼のように頭が良くて実行力がある人は、写真の世界でもうまく行く。着目点もいいし、売り方もいい。 森に潜むフツ族の映像には人間のしぶとさを感じた。 個人で持つには高すぎる写真集でも、世界中の美術館や図書館の蔵書になればそれで生活できるのかも。 …

アクト・オブ・キリング - ジョシュア・オッペンハイマー

インドネシア建国の父、スカルノ初代大統領政権下(共産主義寄り)で1965年クーデター騒動(9月30日事件)が起きる。事件の大まかな流れは以下だ。 1.陸軍将校がクーデターを画策・準備。 2.大統領親衛隊(共産主義寄り)が、1のクーデターを阻止するた…

戦場から生きのびて イシメール・ベア

以下、ネタバレだ。 戦争は急に始まる。町を歩いていると何やら騒がしい。話を聞くと隣町が戦場になり命からがら逃げてきた人たちが列をなして押し寄せてきている。え?隣町には父ちゃんと母ちゃんが働きに出ている!大丈夫なのか?騒然とする人混みをかき分…

総員玉砕せよ! 水木しげる

顧客が解約の手続きをしようと連絡してきた時、当時の上司はバカ真面目な顔で「この案件は、必ず死守だからな」と私達に命じた。彼はこの案件を会社を纏める砦の一つと考えていた。たとえ守りきれなくても玉砕したという事実が我々の心を固く結束しうると考…

カラシニコフⅠ 松本仁一

AK47(=カラシニコフ)は旧ソ連軍のカラシニコフが開発した自動小銃だ。この銃は頑丈で扱いやすいので世界の紛争地域での主な武器になっている。子供でも扱えるその丈夫さと操作性によって、彼らを戦場へ巻き込み、悲劇の原因の一つになっている。 カラシ…