ブリッジ・オブ・スパイ - スティーヴン・スピルバーグ

ベルリンの壁が建設中の時代。建設してる途中まで、結構、町の人も建設に関わる人ものほほんとして、ただの工事ぐらいにしか思っていないのに、いざ完成ってときになると事の深刻さに気がついてアタフタする感じ。いきなり線が引かれてあっちとこっちに分けられる世界。

お互いにまったく信用のない相手とのやり取りを成立させる映画。

パリ3区の遺産相続人

親父から相続した家には親父の元愛人と、40代の子供がヴィアジェ(元愛人が死んだら家は完全に主役のもの、死なない間は元愛人に主役が毎月金を払う義務があり、払わなかったら元愛人のものになるというシステム)で住んでいてびっくりしたという話。親父の不倫で破壊された家庭vs日陰の愛人親子という構図。最後は打ち解けてハッピーエンド。

ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります

アメリカの成果報酬制の不動産売買エージェントというシステムの悪い部分を描いた話。本来は売りたい物件を最高額まで釣り上げて売ればお互いWinWinなのに、どちらかが乗り気じゃなくなったら最悪になる。この映画はオーナーがエージェントに振り回されているように見えるが、実際、振り回しているのはオーナーのほうで、エージェントはとうとう報酬を得ることができなかった。

黄金のアデーレ 名画の帰還 - サイモン・カーティス

戦争の混乱で奪われ、そのままになっていた自分の物を、自分のものであると主張して取り返す。これは、べつに良い。が、その取り返し方がアメリカ的。本人がもういらないといっているのに、得られる報酬が巨額とわかれば弁護士が勝手に動き回って訴訟してしまう。戦争の略奪品の返還申請には時効を決めた方が平和な気がするのは気のせいか。

ミケランジェロ・プロジェクト ジョージ・クルーニー

ナチスにいたはずの美術担当者は、ヒトラーが死んだときに、命令に従って集めた美術品を焼き払うことを知っていたのだろうか?枢軸国と連合国で敵味方に分かれていたとしても、美術を愛する者同士の心の会話はなかったのか。

マイ・ファニー・レディ ピーター・ボグダノヴィッチ

楽しい思いをさせて、夢をかなえる相談に乗って、お金もあげて、最高の気分になった女とセックスする、というのが趣味の男の話。女にとっても最高のはずなのに、それでも利用されていると感じてしまうと、怒りたくなるのが女の気持ち。