生きてみたい、もう一度 新宿バス放火事件 - 杉原美津子

ある日、突然自分の乗ったバスにガソリンと火のついた新聞紙を投げ込まれたらどうするか?そのまま炎と煙に巻かれ、死んでしまったならしかたがない。しかし、大火傷を負い、生きていかなければならなくなったとしたら?

 

生きてみたい、もう一度―新宿バス放火事件 (新風舎文庫)

生きてみたい、もう一度―新宿バス放火事件 (新風舎文庫)

 

 

この事件によって、真面目に世界(=自分自身)と向き合わざるを得なくなった著者の告白の記録の本だ。

今から約35年前1980年に、新宿西口で6人死亡、14人が重軽傷を負ったバス放火事件が起きた。

犯人は自分の不幸な人生にヤケクソになった38歳の男。著者はそのバスに乗り合わせ、全身に大火傷を負ってしまった当時36歳の不倫と彼の借金に悩む女性。

厳しい状況から回復していく過程での心境を、不倫相手と犯人への手紙を中心に記述していく。